ピッチャーの分業制から、インサイドセールスを考える
最近注目されている、インサイドセールス。
これから、インサイドセールスの話をしたいのですが、その前に長々と野球の話をします。
野球のことがよくわからない方も、最後にインサイドセールスの話に繋がります。
野球から強引にインサイドセールスの話をするので、ぜひ最後まで読んでください!
ピッチャーの分業制が確立したプロ野球
野球ではピッチャーの分業体制が確立しています。
ピッチャーの分業制とは、先発・中継ぎ・抑え の3つの役割に分類し、それぞれ専任の担当を置くことです。
なんでこんな分担になったのかというと、
もともとピッチャーは完投するのが当たり前でした。
一度マウンドに立ったら、最後まで投げるのです。
しかし、1人で完投しろ!には下記のような課題があります。
- 投球数が増え肩への負担が大きくなり、怪我の要因になる
- イニングが進むにつれて疲れや集中力切れで、打たれる可能性が高くなる
- バッターがそのピッチャーの球種に慣れてきて、打たれる可能性が高くなる
これらの課題を解決するために、完投性をやめてピッチャー分業制になります。
先発、中継ぎ、抑え と3つの役割に分けて1試合を戦うのです。
もちろん3分業制になるまでにいろいろあるのですが、ここでは省略です。
それぞれの役割に応じて必要なスキルがあるので、
最適なピッチャーがアサインされていきます。
役割が違うので評価指標も違います。
評価軸はだいたいこんな感じになるはずです。
共通なのが、防御率。
先発は、勝ち数や勝率。
中継ぎは、登板回数。
抑えは、セーブ数。
これ以上の話は野球ネタブログではないので省略しますが、
ピッチャーは野球の長い歴史の中で、ピッチャーの分業制を確立させていきました。
勝率を上げるために現在のような役割分担になったのです。
BtoBの営業活動に置き換えてみよう
ピッチャーでは分業制が確立しています。
それでは、これを営業活動の視点で考えてみます。
昔の営業活動は、全てのプロセスを一人で全部やっていました。
ターゲットリスト作って、テレアポして、訪問提案して、受注して。
全てを一人でやるのです。
これ全てを一人でやれば効率も悪いし、疲弊してしまいます。肩壊します。
その後、BtoBにもマーケティングの考えが導入されていきます。
マーケティングの役割は企業によっていろいろあると思いますが、
見込み客にアプローチし、興味・関心度が高いターゲットを見つけ、営業に引き渡すってのが一般的だと思います。
営業プロセスを一人で行っていたのが、
見込み客の発掘はマーケティング、提案・受注までの活動は営業 と役割分担が実現します。
営業プロセスに中継ぎがいない!?
BtoBの営業プロセスにおいて、マーケティングと営業の分業体制が出来上がりました。
でも、野球では1試合を3つの役割で分担していたのに、ビジネスではマーケと営業の2つの役割しかありません。
そうです、中継ぎがいないのです。
野球で中継ぎが導入されているのであれば、営業プロセスでも中継ぎがいればうまくいくはずです、きっと。
その役割を担うのが、いま注目のインサイドセールスです。
インサイドセールスは、マーケティングが発掘した見込み客から現状や課題など様々な情報をヒアリングしたり、
定期的にコンタクトをとり見込み客との関係を構築していきます。
これらの活動を電話やメールで行っていきます。
そして最適なタイミングで、営業に案件を引き継ぎます。
マーケティング側で獲得した見込み客リストでは、
そもそもターゲットかどうかもわからないし、検討時期や課題もほとんどわからない状態です。
獲得経路などによってある程度選別できるとは思いますが、ほんとざっくり分類するしかありません。
そして、営業はそのざっくりした情報のみで提案活動を行うので、
ターゲットかどうか最適なタイミングかどうかをヒアリングしながら進めていかないとなりません。
これでは本来営業が注力したい、提案のための準備や調査の時間を削ることにもなりかねません。
そんな課題をインサイドセールスが解決してくれるのです。
マーケティングは広くリーチして多くの見込客と接点を持ち、
インサイドセールスはマーケが発掘した見込客からターゲットを見極めさらにヒアリング・関係構築を行います。
最後に営業はインサイドセールスがヒアリングした情報をフル活用し見込客に最適な提案を行います。
それぞれが明確な役割を担い、お互い連携して営業プロセスを行うことで、
最適な営業プロセスが構築できます。
これは提案される側にもメリットがあり、
変なタイミングでの強引な提案・アポイント・クロージングを受ける可能性が低くなります。
最適なタイミングをインサイドセールスが確認するので、
強引な売り込みを避ける事ができます。
ピッチャーの分業制と同じく営業プロセスも分業しよう
これで、営業プロセスにおいてもプロ野球のピッチャーと同様に、
マーケティング・インサイドセールス・営業 という3つの役割分担ができました。
営業プロセスと一言で言ってしまうと、必要なスキルが限られるように聞こえますが、
そもそも段階に応じて求められるスキルが違うのです。
それぞれの段階に応じて必要なスキル・役割を設定し分担することで、
営業プロセスがよりきれいに流れるようになるのです。
だから、インサイドセールスが求められます。
ただし実際にインサイドセールスを導入しようとすると、
案件の見極め・引き渡しなど細かいオペレーション決めやルール作りをしないといけません。
また、役割を分担したから、
「自分の役割だけやってればOK」ではありません。
分業制にするのであれば、より緊密な横の連携が必要になります。組織間のコンフリクトが発生するのであれば、分業効果も激減です。
そんなこんなですが、まずはインサイドセールスが必要かどうか、検討してみてはいかがですか?